TOYOTA 86で巡る、夏のSeaside Drive

心躍る86でのドライブ、
日生から玉野へ駆け抜ける。

 新緑が綺麗だなと思っていたら、季節の移り変わりはことのほか早く、もう陽射しは夏本番の輝き。せっかくなら本格的に暑くなる前に、とびきりのシーフードグルメを求めて、湾岸ドライブと洒落込みたい。今回のパートナーは、トヨタが世界に誇るFRスポーツの雄「TOYOTA86」。発売前から、熱狂的な歓迎ぶりで、800から2000GT、そしてAE86を知るリアル世代からも熱い期待がかかる注目の一台。「一ミリでも低いスポーツカーをつくれ」という開発意図を実現した低重心ボディ。ドアを開け、ステアリングに手をかけた瞬間から「86」の新たなる伝説に心が震えた。
 岡山ブルーラインを軽快に駆け抜け、まず訪れたのが日生港近くの「はましん」。もともと先々代が魚屋をしていたという当店。当時から炭焼きの穴子が名物だったそうで、三代目の店主が10年前からメニューに加えた「炭焼穴子のひつまぶし」がうまい! と評判を呼び、今や当店の看板料理となったそう。上質の穴子を香ばしく仕上げたその味は、噂に違わぬ旨さ。実に満足。
 同じ日生港近くの「ほりお好み焼き店」の人気は何と言っても冬のカキオコと夏のエビオコ。もう説明も不要な人気ぶりで、シーズンには長い行列が並ぶことで有名。エビオコはもともと地元では昔から親しまれてきた味だそうで、「一匹一匹、手で剥くのが大変なんよ」と女将さん。トロトロの生地にエビのほんのりとした甘みが優しい味わいだった。
  商店街の入口にある「山東水餃大王」は、その名の通り、水ぎょうざの名店。本場・台湾の味に魅せられたご主人が現地のレシピを持ち帰り、地元岡山の食材を使って独自にアレンジ。ここでしか味わえない逸品に仕上げた。うま味たっぷりの肉汁が絶品。いくらでも食べられそうな気配。
 この日のラストは、玉野みやま公園内にある「みやまレストラン」。ご当地グルメとして売り出し中のその名も「たまげた丼&たまげたバーガー」。瀬戸内海特産のゲタ(舌平目)を食べやすくミンチにして、オリジナルレシピで丼とバーガーに。地元の野菜との相性も良く、食べ応えも十分。道の駅も隣接しているので今度は、買い物がてらゆっくり訪れたいと再訪を誓う。


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はましん

香ばしい炭焼き穴子は、
魚屋時代からの人気の品。

目の前の日生港で水揚げされる新鮮な魚介類が堪能できる海鮮料理のお店。なかでも炭焼き穴子を使った「ひつまぶし」は当店を代表する絶品メニュー。炭火で焼き上げ、細かく刻んだ穴子は、肉厚で脂が乗っているにも関わらず、香ばしくあっさりとした味わい。ボリューム満点だがご主人曰く、女性でもペロリと平らげるとのこと。その他にも豪華な定食や新鮮なお刺身、塩焼き、煮付けなど、単品も充実。3 代目となるご主人は懐石料理の心得もある。しゃこのお造りなど、他では味わえない珍味も堪能できる。

炭焼穴子のひつまぶし(1,700 円)。地元の肉厚の穴子のみを厳選、脂の乗りが違う。その他にもはましん寿司(穴子と椎茸の押し寿司1,000 円)や穴子重(1,400 円)もおすすめ。

備前市日生町日生241-30
Tel.0869-72-3145
営業時間■11:00~15:00(OS14:30)、17:00~21:00(日曜日は20:00)
休日  ■水曜
駐車場 ■計14 台(店舗前4 台)

 

コミマガ夏号のドライブ取材。今回のパートナーは、うわさの「86」。取材前日は、トヨタが誇る伝説のFRスポーツ…800、2000GT、そしてAE86の系譜に触れることができる歓びに少し興奮気味。そして二日間のドライブでは、高速から湾岸道路まで、思うまま縦横無尽に駆け抜けるという至福の時間。前輪で舵を切り、後輪で駆動する…。ドライビングの喜びを知るドライバーの多くが「理想」と賞する駆動レイアウトの醍醐味を体感することができた。スーパースポーツに勝るとも劣らないヒップポイント400ミリから見る、日常の中の非日常。ドアを開き、アシストパッドに手を付いて乗り降りする。スタートスイッチを押す。マジでシビレました。その瞬間…。


トヨタ車最小径365ミリのステアリングを採用。エンジンをスタートさせ、ギア操作に移る一連の動作を左手で行なえるよう、スタートスイッチはセンタークラスター内に配置されている。


D-4Sと、86x86というボア・ストロークにより、最終的にリッター100PSをたたき出す理想のスポーツエンジンが生まれた。


86にふさわしいシフトフィールとは?様々な議論の末、たどり着いたのは、ショートストロークは絶対譲れないという結論。手首から先だけを動かす独特の感覚はまさにマニュアルの醍醐味。