社長のちょっと独り言
次世代の交通システムを模索する「岡山まちとモビリティ研究会」。
三村センター長と交わした本音トーク!


 街に「賑わい」を生み出す、次世代の交通システムを岡山から発信したい。その思いを胸に昨年9月に発足した「岡山まちとモビリティ研究会」。今回の「社長のちょっと独り言」は、当会の事務局を務める岡山大学地域総合研究センターの三村センター長と分科会委員長の弊社梶谷による対談。二人が抱く、ふるさと岡山への思い、研究会のヴィジョンをお届けします。

梶谷「そもそも研究会が発足した主旨を三村先生から説明していただけますか」。
三村「東京への一極集中等、地方の地盤沈下が叫ばれる中、岡山市でも中心市街地の活性化は大きな課題となっています。当研究会設立の背景には、街に賑わいを生み出すための交通手段の在り方、公共交通と街の関わりなど、『新たなモビリティの活用による地方創生』を他に先駆けて岡山から発信したいという思いがありました」。
梶谷「ちなみに研究会には三つの分科会が設けられていて、私は『移動の多様性を考える』分科会の委員長に就任しました。具体的な取り組みとしては、岡山市のコミュニティサイクル『ももちゃり』や環境に優しく短距離移動に適した超小型モビリティの有効的な活用法を研究しています」。
三村「すでに岡山からイノベーションを起こそうと具体的な取り組みも始まっています。現在、津山では二六台のコムス(超小型EV)が走っていて、美作市上山地区(中山間地域)でもカーシェアリングの要領で住民の方が日常生活、農作業、観光利用の足としてコムスの利用を開始しました」。
梶谷「現地で棚田の再生に取り組んでいる『英田上山棚田団』が、トヨタ・モビリティ基金の助成を受け、様々な人の協力も得ながら頑張っているそうですね。こうした中山間地域における活用事例は過疎・高齢化対策にもつながると思います」。
三村「研究会でも県庁通りを低速交通ゾーンにして、徒歩・自転車・超小型モビリティを共存させるプランやEVバスを導入して、原則ゼロエミッション通りとし、観光地への誘導を図るなどのプランも思考中です。EVに関して言えば、世界で最初のクルマは、エジソンが先駆けた電気自動車なんですね。ヘンリー・フォードはエジソンの腹心でその後、T型フォードを開発しました。それから100年。プリウスがここまで売れると誰が予想したでしょうか。ハイブリッド、PHV、水素自動車…。まさにパラダイムシフトが起きているんです」。
梶谷「パラダイムシフトと言えば、クルマの使い方や認識に関しても、これからはそれこそ意識改革が必要でしょうね」。
三村「そうですね。初めて梶谷社長にお会いした時から、梶谷社長はそう言われ続けていますよね。私も同感です」。
梶谷「岡山市内も路面電車の岡山駅前への乗り入れも決定し、これからさらにモビリティーの多様化と効率化が求められる時代になります」。
三村「岡山での取り組みで実証データを蓄積して、いつかは全国へ、そしてアジアへ展開できたらと思っています」。
梶谷「目指すは『日本で一番移動しやすい都市』ですね。本日はお忙しい中、ありがとうございました」。
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