昨シーズン、クラブ史上初のJ1昇格プレーオフ進出を果たしたファジアーノ岡山。
念願の平均来場者数1万人も達成。次なる目標を木村代表自らが語る。
梶谷「2016シーズンは開幕から6試合負けなしのスタート(3勝3分)。最終順位は6位で、クラブ史上初のJ1昇格プレーオフ進出を成し遂げました。プレーオフは決勝まで駒を進めましたが、健闘及ばずJ1昇格はなりませんでした(C大阪に0対1で惜敗)。木村代表から見て昨シーズンはいかがでしたか?」
木村「クラブとしては、平均来場者数1万人という目標(1万17人)を達成し、総入場者数も21万364人を記録することができました。スポーツですから当然勝ち負けは付き物です。もちろん試合に勝つことが皆さんへの最高のプレゼントですが、誤解を恐れず言えば、お客様はチームが勝つから必ずしも試合を観に来るわけではないんです。以前から勝っても負けても応援していただくということに対して、正面から挑んでいく考え方は今も変わりありません。そういった意味でも1万人という数字は、これまでの一歩一歩の積み重ねの結果だと思っています」。
梶谷「プレーオフ決勝は雨にも関わらず、たくさんの人が応援している姿をテレビで観て、地域リーグの頃のファジアーノを知る一人として感慨深いものがありましたね」。
木村「そういえば梶谷社長はJFLの頃、新潟までアルビレックスの視察にご一緒くださいました。岡山の観客数が300人の頃からチームを見てくださっていたんですね」。
梶谷「J2昇格から8シーズン目、ようやくJ1に手が届くところまでチームが成長しましたが、経営者として木村代表が心がけていることはありますか? 例えばサービスや集客に関して…」
木村「まず集客に関してクラブとして最も大事にしているのは一言で言うと『ホスピタリティ』です。お客様にはサッカーの試合にだけ集中していただき、それ以外のストレスができるだけないようなイメージですかね。実はこの『ホスピタリティ』という言葉はもともと岡山の有名企業のトップの方からインスピレーションをいただいたのですが、よくよく話を聞いてみたらその方は梶谷社長にヒントをもらったとのことでした。なるほど歴史のあるカーディーラーの接遇、ホスピタリティへの思いは実際学ぶべき点が多いと感じました」。
梶谷「その話は初耳です(笑)。そのホスピタリティ、具体的にはどのように取り組まれていますか?」
木村「今、うちのスタッフは『ask me! 何かお困りですか?』という文字が背中に入ったシャツを着用しています。写真を撮るなら私が撮ります、お子さんにはお子さんの目線でお話します、雨の時は率先して屋根のある所へご案内します…といった姿勢で、その思いをカタチにしています」。
梶谷「ファジアーノの真価が問われるのはこれからの10年と木村代表は常々言われていますね」。
木村「『ここまでよく頑張ったチーム』で終わるか、『衣食住に近いくらいに岡山で必要とされるチーム』になれるか。日本一のクラブをめざして挑戦を続けます。ちなみに…実は母が御社にお世話になっていて、いつも私に『岡山トヨタさんの方々の気配りはすごい。あなたも学びなさい。まだまだ笑顔が足りない!』って言われています(笑)」。
梶谷「それも初耳です(笑)。これからも応援します。本日は、ありがとうございました」。
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