音楽の神に愛された日本初の女性ジャズ・トランぺッター。

 池田順子さんは一般には「日本初の女性ジャズ・トランぺッター」と称される。さぞかし長いキャリアをお持ちかと思いきや、意外にもトランぺットを始めたのは武蔵野音大を卒業して20年以上立った頃。それまではピアノ一筋、クラシック一筋の音楽人生だった。「みんなと音楽をやりたい! それが始めた動機です。ピアノは一人で演奏しますよね。トランペットはいろんな人と一緒に音を創り出す。そんなところに惹かれました」と話す池田さん。とはいえ肺活量が必要なブラス楽器は、男性に比べると女性演奏者は少ない。特に高音を駆使するジャズとなればなおさらだ。
 「その頃は世田谷に住んでいて、区のミュージックサロンで講師をされていたのが伏見哲夫さんやトロンボーンの岩崎敏信さんといった日本を代表するジャズメン。どんどんジャズの魅力に引き込まれて行きました」。
 その後、始めてわずか二年で初めてのアルバムをリリース、『池田順子&ジュンブライツ』としてプロデビューを果たす。ジャズ評論家の瀬川昌久氏は「ジャズの世界で、女性で、リーダーで、ピアノが弾けて、歌が歌えて、アレンジまでこなすのは彼女だけ」と絶賛した。デビューの約一ヶ月後には、名門ジャズクラブ『銀座スウィング』のステージに立つなど、さらに世界は広がった。穏やかな大人の女性といったオーラを醸す池田さんだが、バンドメンバーからは「女っぽくない〜」と言われるそう。ピアノとトランペット、それぞれに個性の違う楽器をしなやかに操る技量と心。しなやかさの奥にプロとしてのタフさを備えた池田さん。まさに音楽の神に愛されたミューズ(女神)かもしれない。

 

ジャズ・
トランぺッター

池田順子

本名・水野順子。岡山市出身。武蔵野音楽大学ピアノ科卒業。1994年ジャズ・トランぺッターとしてプロデビュー。「池田順子&ジュンブライツ」を主宰し、東京を中心に活躍中。日本音楽家協会会員。

2枚目のアルバム「Beautiful Things」にはマイケル・ジャクソン専属作曲家ジョー・クリアルから贈られた曲が納められている。